artscapeレビュー
印象派を超えて──点描の画家たち
2013年11月15日号
会期:2013/10/04~2013/12/23
国立新美術館[東京都]
タイトルが「印象派を超えて」と「点描の画家たち」の2段がまえのうえ、「クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に」「ゴッホ、スーラからモンドリアンまで」という長ったらしいサブタイトルもつく。それだけ見どころが多いともいえるが、焦点が絞りきれていないとも考えられる。展示は、モネやシスレーらの感覚的な点描に始まり、スーラ、シニャックらが確立した科学的点描(分割主義と呼ぶ)、その影響を受けたゴッホやゴーギャン、さらにベルギーとオランダの分割主義を経て、モンドリアンの抽象にいたる流れをたどるもの。これを見れば、20世紀美術を決定づけた抽象の源流のひとつが点描にあると受け止めることもできるだろう。その意味ではよく練られた展覧会といえるが、しかし見せたいのは個々の画家や作品ではなくモダンアートの流れそのものなので、見せ場がモネ、スーラ、ゴッホ、モンドリアンなどいくつかに分かれてしまった。タイトルがひとつに絞りきれないのもうなずける。
2013/10/03(木)(村田真)