2020年04月01日号
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artscapeレビュー

森山大道「DAIDO IN COLOR」

2016年02月15日号

会期:2015/12/15~2016/01/30

AM[東京都]

森山大道といえば、モノクロームのコントラストを強調したストリート・スナップというイメージが強いが、じつは初期からカラー写真もかなりたくさん撮影している。1960年代~70年代に「朝日ジャーナル」や「週刊プレイボーイ」(篠山紀信と交互にヌード作品を掲載していた)に発表された写真はほとんどがカラーだし、それらをまとめて蒼穹舎から『COLOR』(1993)、『COLOR2』(1999)という2冊の写真集も刊行している。2000年代以降、デジタルカメラを主に使うようになってからは、むしろカラー写真の比率のほうが大きくなりつつあるように見える。
今回、東京・明治神宮前のアートスペース、AMでまとめて展示された、150点あまりの作品を見ると、森山にとってのカラー写真はモノクロームとはやや異なった意識で撮影されているようだ。森山自身は「モノクロームには、印象性、象徴性、抽象性があるけれど、カラーには、ポップでクリアーでジャンク、いい意味でペラペラな感じがある」と語っているが、たしかにカラー写真のほうが、被写体の色や「ペラペラな」質感にヴィヴィッドに反応しているように感じる。特に目につくのは、飲食店街などに氾濫する紫がかったピンク色や、丸みを帯びたエロチックなフォルムに対するエキサイトぶりで、モノクロームと比較すると、森山のフェティッシュな嗜好が剥き出しで表出しているのが興味深い。1960年代から70年代を中心に80年代の作品まで、バラバラな順序で並んでいたが、年代ごとに彼のカラー写真の変遷を追う展示も見てみたいものだ。


© Daido Moriyama / courtesy art space AM

2016/01/24(日)(飯沢耕太郎)

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