artscapeレビュー
フランク・ロイド・ライトのスタジオ見学ツアー
2016年02月15日号
[アメリカ、シカゴ]
シカゴ郊外のオークパークは、19世紀末に新興住宅地となり、当初はクイーン・アン様式が主流だったが、ライトが住宅とスタジオを構えてから、次々と彼の手がけた建築が周囲に増殖した。北海道の佐呂間の街を訪れたとき、五十嵐淳さんが設計した住宅があちこちに増えていたが、ここも将来オークパークみたいになるかもしれない。ライトの住宅とスタジオの見学ツアーに参加した。自邸ならではの実験性、増改築が生み出す複雑性、日本の影響など、とても見所が多い建築である。細かいこだわりは、藤井厚二の聴竹居なども想起させる。でも、施主の妻が気に入るような場も多く、なるほど若手ながら、これで周囲の仕事を獲得したのかと納得させられた。
2016/01/02(土)(五十嵐太郎)