artscapeレビュー
フランク・ロイド・ライト《ロビー邸》ほか
2016年02月15日号
[アメリカ、シカゴ]
竣工:1910年
シカゴ大学の界隈を歩く。1900年前後のゴシック様式、共同住宅からサーリネン、ミース、SOM、ヤーン、ヒュー・スタビンズ、シーザー・ペリ、ラファエル・ヴィニヨリの現代建築までバリエーションに富む。特にサーリネンの法学校舎やペイの再開発アパートがいい。これらは半世紀前の近代建築だが、古びれることなく、大事にされている。大学街にあるフランク・ロイド・ライトの《ロビー邸》は、三度目の訪問だった。富豪の新興住宅地にモダンな豪邸を建てるも、すぐに3度家主が変わったのち、個人住宅としては使われず、二度の解体の危機を切り抜け、文化財に指定・修復されたものである。空間や細部の特徴、有機的な建築の思想、日本からの影響など、ボランティアが熱く語る。
写真:左上=サーリネン、左中=ミース、左下=SOM、右上=ヴィニヨリ、右中=ペイ、右下=《ロビー邸》
2015/12/31(木)(五十嵐太郎)