artscapeレビュー

ジェネレーションY:1977

2016年02月15日号

会期:2016/01/23~2016/01/31

BankARTスタジオNYK[神奈川県]

ファッション通販ZOZOTOWNを運営する前澤友作社長が集めたコレクションのうち、自分と同世代のペインター3人の作品を公開している。エイドリアン・ゲーニー、ジョナス・ウッド、リネット・ヤドム・ボアキエの3人で、いずれも1977年生まれ。ちなみにタイトルの「ジェネレーションY」とは、ジェネレーションX(1960年代から70年代なかばまでの生まれ)の次の世代という意味。それぞれ2~4点、計9点の出品だが、いわゆるペインタリーな具象の大作が多く見ごたえがある。とくに身近な日常風景をフラットに描いたジョナス・ウッドの作品は、一見ホックニーを想起させるポップな表現だが、絵画という形式に対する意識はきわめて高い。室内の壁、床、天井が織りなす垂直・水平線や、四辺いっぱいの大きな窓枠を画面の骨組みに据え、画中画や窓ガラスに映った鏡像によってイメージを重層化させる手法は見事というほかない。河原温やミニマルアートのコレクションも豊富というから、いずれ公開されるのを楽しみにしたい。

2016/01/22(金)(村田真)

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