artscapeレビュー
鎌倉からはじまった。1951-2016 PART3:1951-1965「鎌倉近代美術館」誕生
2016年02月15日号
会期:2016/10/17~2016/01/31
神奈川県立近代美術館鎌倉[神奈川県]
鎌倉館最後の企画展「鎌倉からはじまった。1951-2016」のいよいよ最終回。開館した1951年から65年までに開かれた展覧会の出品作品から、萬鉄五郎《日傘の裸婦》、古賀春江《窓外の化粧》、松本竣介《立てる像》、麻生三郎《自画像》など100点近い絵画、彫刻を選んで公開している。今日はクロージングパーティーがあるので中庭はすごい人だかり。考えてみれば、現館長の水沢勉さんが生まれたとき(1952年)すでに美術館はあったのだから驚きだ。いや、これは驚くべきことだろうか。ヨーロッパでは開館100年、200年の美術館なんてザラにあるから珍しくもないが、近代美術館としてはやはり驚いていいかもしれない。なにしろニューヨーク、パリに次ぐ世界で3番目の近代美術館なのだから。でもそれより驚くべきは、この65年間で歴代館長は7人、学芸職は館長も含めてのべ31人しかいなかったこと。こんなに少数精鋭で安定した美術館はほかにないんじゃないか。
2016/01/16(土)(村田真)