artscapeレビュー
シカゴ美術館 本館、モダン・ウィング
2016年02月15日号
[アメリカ、シカゴ]
1893年の万博時にオープンした建築を使う、シカゴ美術館へ。いったん中央の細い展示エリアを介して、奥に新棟が続くが、ここはなんと線路の上を横断している。増築されたのは、レンゾ・ピアノによるモダン・ウィングだ。洗練されたワンパターンのデザインだが、ミレニアムパークへの見通しが抜群の、気持ちのよい展示空間である。ただし、湖への眺めはない。ここはヨーロッパの近代、古美術、家具、アジアのコレクションも充実しているが、やはりアメリカが強い。シェーカー教の家具特集展示のほか、サイ・トゥオンブリーの彫刻、ジャスパー・ジョーンズの懸垂線シリーズなどである。またジョセフ・コーネルによる箱や額の作品をこれだけまとめて揃えた常設はあまり見た記憶がない。
写真:左上=シカゴ美術館、右上=シェーカー教の家具、下段=レンゾ・ピアノ《モダン・ウィング》
2015/12/27(日)(五十嵐太郎)