artscapeレビュー
山部泰司──変成する風景画の流れ展
2016年02月15日号
会期:2016/01/25~2016/01/30
ギャラリーQ[東京都]
山部は関西を拠点とする作家なので、東京で発表するのは何年ぶり、いや何十年ぶりだろう。80年代には関西の「イエスアート」や、東京と京都の芸大の交流展「フジヤマゲイシャ」の中心メンバーだった、なんて覚えてる人も少なくなったし。ぼくは一昨年の暮れに大阪で個展を見たので、いまの山水画のような風景画は知っていたけど、この1年ちょっとでまた少し変わりつつあるようだ。前回は赤褐色が大半を占めていたのに、今回は青または青灰色が増えていること、前は樹木のあいだを水が流れていたのに、今度は植物と流水が一体化しつつあるように感じること、などだ。振り返ってみれば、山部は作品そのものの魅力もさることながら、作品が少しずつ変化していくプロセス自体が魅力的なのかもしれない。数年後にはどのように変わっているか、楽しみだ。
2016/01/30(土)(村田真)