2020年01月15日号
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artscapeレビュー

ボッティチェリ展

2016年02月15日号

会期:2016/01/16~2016/04/03

東京都美術館[東京都]

去年Bunkamuraで「ボッティチェリとルネサンス展」をやったばかりなのに、またかよ。でも去年の展覧会がボッティチェリの紹介より、画家の活躍を支えていたフィレンツェという都市の経済や文化の紹介に重きを置いていたのに、今回は周辺の画家たちの作品も展示されるとはいえ、基本ボッティチェリの展覧会になっている。ボッティチェリといえば聖母子像がよく知られ、今回も何点か出ているが、なかでも《聖母子(書物の聖母)》と《聖母子と洗礼者聖ヨハネ》は、ほとんど死んだような聖母マリアの表情といい、いまだ中世を思わせる装飾的な背景といい、とても美しい。メディチ家3代の肖像に画家の自画像も入った有名な《ラーマ家の東方三博士の礼拝》は、30人を超す群像表現なので大作だと思い込んでいたが、縦1メートル強と意外に小さい。これもよく画集などで見かける《書斎の聖アウグスティヌス》は、もともと教会の壁に描かれたフレスコ画を切り取ったもの。運ぶのが大変そうだ。古代ギリシャの伝説の画家アペレスの失われた作品を復元しようとしたのが《アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)》だが、前景の人物(誹謗、不正、無知などの擬人像らしい)がなにを意味しているのかわからないうえ、背景の細かい浮き彫り彫刻ばかりが目につき、違和感テンコ盛り。《磔刑のキリスト》は十字形に切り抜いた板にキリストを描く試みで、「シェイプト板絵」か。ほかにも画家の師であるフィリッポ・リッピ、ポッライオーロ、ヴェロッキオらの作品もあって、けっこうお腹いっぱい。

2016/01/15(金)(村田真)

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