2021年12月01日号
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artscapeレビュー

多摩川で/多摩川から、アートする

2009年11月15日号

会期:2009/09/19~2009/11/03

府中市美術館[東京都]

河口龍夫と同じく、学生時代に『美術手帖』かなにかの図版で見た高松次郎の《石と数字》と、山中信夫の《川を写したフィルムを川に映す》がなつかしい。前者は河原の石に数字を振っていく作品、後者は文字どおり川面を写したフィルムをもういちど川面に映写するイベントで、どちらも無意味な反復や自己言及を繰り返す点で、1970年前後の閉塞的な時代状況を反映している。こうした行為がなぜ隅田川や荒川ではなく、新興の多摩川で行なわれたかといえば、河原が広くて自然が残されていたからということに加え、当時は藝大よりずっと先端的だった多摩美が二子玉川にあり、また近辺にスタジオを構える作家たちが多かったからだろう。

2009/10/27(火)(村田真)

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