2021年09月15日号
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artscapeレビュー

遠藤秀平編『ネクストアーキテクト2 カケル建築家』

2009年12月15日号

発行所:学芸出版社

発行日:2009年8月10日

とにかく読みやすい本である。本書は『ネクストアーキテクト 8人はこうして建築家になった』の続編である。遠藤秀平氏が8人の建築家、構造家、計画者たち(千葉学、長坂大、小野田泰明、曽我部昌史、乾久美子、陶器浩一、芦澤竜一、金田充弘の各氏)にインタビューをし、子供時代の体験から現在までをそれぞれ語ってもらっている。「理論」ではなく「原体験」の重要性を、前著よりさらに大きく感じたことが明記されている。そして「理論」より生理的な「勘」が重要であると。インタビューも、生い立ちから、現在までのさまざまな苦労や体験について語られる。おそらく理論的な話は意図的に抜かされている。本書は、特に何かの節目や分かれ目において悩んでいる建築学生に大きな勇気を与えるだろう。現在活躍している建築家も、多くの節目で悩んできたことがわかるから。また、インタビューされている建築家たちは、主に30代、40代であるため、学生にとっては、少し前の時代に何があったのか、近過去を知ることもできるだろう。本を読むというより、先輩たちの話を聞くという形で手にとってみると、想像以上の収穫のある本だと確信を持って言える。

2009/11/19(木)(松田達)

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