artscapeレビュー

神戸ビエンナーレ2009

2009年12月15日号

会期:2009/10/03~2009/11/23

メリケンパークほか[兵庫県]

そして、神戸ビエンナーレ。美術館近くの船着場からメイン会場のメリケンパークまで船で行ったのだが、その途中の防波堤に出色の作品が。突堤の上にコンクリートの板を斜めに置いた植松奎二の《傾くかたち》と、30年前のBARローズチューを再現した榎忠の《リバティ・アイランド》。メリケンパークには前回同様コンテナが70個近く並んでいるが、そのうちの約半分はいけばなや陶芸なので見ない。見るのはコンペで入賞した「アートインコンテナ国際展」だけ。作品は、暗くて密閉されたコンテナ空間の特性を生かして映像や光を使ったものが多いが、まあ9割は見るに値しない。大賞を受賞した戸島麻貴の《ビヨンド・ザ・シー》も映像だが、さすが見ごたえがある。床に白い砂を敷き、上から映像を流す趣向で、波打ち際の海岸や花畑などの映像が音とともに歯切れよく移り変わっていく。見ていて気分がいい。戸島、やったな。

2009/11/13(金)(村田真)

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