artscapeレビュー

drawning room

2009年12月15日号

会期:2009/10/31~2009/11/23

神戸アートビレッジセンター[兵庫県]

2007年から開催されているアートイニシアティヴ・プロジェクトで、企画立案から実施までをセンターとアーティストが共同で行なう展覧会。今回の出品作家は、大﨑のぶゆき、田中朝子、冨倉崇嗣、中川トラヲ、森本絵利。「drawning room(溺れる部屋)」というタイトルが、溶解や消滅という脆弱な要素をもつ、今回の参加アーティストそれぞれの作品イメージとすんなり結びつくところもさることながら、実際、応接間のように構成された会場にぎっしりと作品が展示され、各々の空想的で儚げな世界観を楽しむ心地よい空間となっていたのがまた良かった。この日は芸術学者の布施英利氏を迎えてのトークイベントも。展示作品の透明感や脆いイメージとは裏腹に、内容は濃厚で充実した展覧会。

2009/11/07(土)(酒井千穂)

2009年12月15日号の
artscapeレビュー