artscapeレビュー
林勇気 展「over lap」
2009年12月15日号
会期:2009/11/10~2009/11/22
neutron Kyoto[京都府]
映像の動きや音は一定のリズムを刻んでいるのだけれど、脈絡のつかめないモチーフや、どこかつかみどころのない不安定な展開要素が気になって結局目が離せなくなってしまう。起きた時に夢の内容を思い出そうとするときのような、断片的な記憶のイメージと想像力でストーリーを無意識につなごうとする感覚だ。一貫して洗練されたお洒落なイメージの映像がときどき退屈にも感じられるのだが、ただ、その淡々と平坦に運ぶ小さなドラマもまた林さんの作品の大きな魅力のひとつで個人的には好きだ。
2009/11/19(木)(酒井千穂)