2021年09月15日号
次回10月1日更新予定

artscapeレビュー

2013年12月15日号のレビュー/プレビュー

フェスティバル/トーキョー13 オーバードーズ:サイコ・カタストロフィー

会期:2013/11/09~2013/11/13

池袋西口公園[東京都]

東京芸術劇場のアトリウムには、椿昇の巨大バルーンによる、金色の牛の頭をかたどる作品が浮かぶ。池袋の西口広場では、船のような、尖った切妻屋根の民家のような、竹による大きなセットが水面の上に組まれ、男たちがよじ登って「オーバードーズ:サイコ・カタストロフィー」が催された。これは1883年のクラカタウ火山の噴火と津波で3万6千人が亡くなった出来事に着想をえて制作された神話、儀式的な作品である。見るからに危険な身体運動ゆえに、緊張がゆるむことがない、エネルギッシュなパフォーマンスだ。あいちトリエンナーレのジェコ・シオンポも、インドネシアだったが、彼らも壮大でパワフルである。
写真:上=オーバードーズ、下=椿昇の巨大バルーン

2013/11/09(土)(五十嵐太郎)

高木智広「此方×彼方」

会期:2013/10/29~2013/11/10

Gallery PARC[京都府]

自然と人間の関係をテーマに制作を続けている高木智広は、おもに京都や東京で発表を行なってきた活動歴も長い作家だが、個展を見たのは私は今回が初めてだった。一角獣や、身体が動物と混じり合い一体化した人間など、青みを帯びた色彩の背景に不思議な生き物たちが浮かぶ一連の絵画、薄い膜のように張られた半透明のシート向こう側で、ときどき剥製動物の眼が光るというインスタレーションで会場は構成されていた。全体に独特の不気味さとユーモアをまとった神秘的な雰囲気だが、夢の世界や「向こう側」の世界、その境界というよりも、むしろ現実に存在するがまだ見たことのない地続きの世界に想像が巡っていく。描くモチーフのイメージについては、初めからあるわけではなく、筆を動かしているうちに次第にあぶり出されていく感じだという高木の言葉も印象に残った展覧会。


展示風景

2013/11/09(土)(酒井千穂)

あなたの肖像──工藤哲巳 回顧展

会期:2013/11/02~2014/01/19

国立国際美術館[大阪府]

国立国際美術館の工藤哲巳回顧展「あなたの肖像」を鑑賞した。これまで断片的に青森や国立国際などで何度も彼の作品を見たが、初期のアンフォルメル風から、アンデパンダンの「反芸術」、西欧でのヒューマニズム攻撃、70年代の内省化、そして晩年の日本社会を問う作品まで一同に集まると、力強く、壮観である。これだけ大量の男根が陳列される展覧会もそうないだろう。一時のネタではなく、生涯こだわったモチーフであることがよくわかる。筆者がイメージする日本のどろどろとした情念的な前衛芸術家そのものだ(女性なら草間)。今回の展示で、千葉県房総の鋸山の岩壁に高さ25m近い巨大な男根/サナギのレリーフも制作したことを初めて知った。もうひとつ驚いたのが、カタログの分厚さである。640ページくらいか。展示作品だけではなく、巻末にレゾネとなる「工藤哲巳総目録1955-1988」も付しているからだ。なお、常設では、彼に関心をもったマイク・ケリーとマッカーシーの作品も紹介している。

2013/11/10(日)(五十嵐太郎)

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鉄道芸術祭 vol.3 松岡正剛プロデュース「上方遊歩46景~言葉・本・名物による展覧会~

会期:2013/10/22~2013/12/25

京阪電車なにわ橋駅「アートエリアB1」[大阪府]

京阪なにわ橋駅アートエリアB1の鉄道芸術祭「上方遊歩46景」を見る。松岡正剛のプロデュースによるもので、さまざまな場所についての「言葉・本・名物による展覧会」だ。パネルではなく、天井に届く白い円柱を林立させ、表面に言葉、裏面にモノや本を展示する会場構成のインスタレーションがよかった。

2013/11/10(日)(五十嵐太郎)

ヨッちゃんビエンナーレ2013

会期:2013/11/10~2013/11/24

OZC GALLERY(大阪造形センター)[大阪府]

大阪造形センターのヨッちゃんビエンナーレ2013を見る。キュレータの加藤義夫さんが企画した二回目にして、おそらく世界で一番小さなビエンナーレである。愛知芸文センターの公募展、アーツチャレンジにも彼が関わっていることから、アーツチャレンジで選ばれた荒木由香里、植松琢磨、福田良亮らが参加している。

2013/11/10(日)(五十嵐太郎)

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