2021年09月15日号
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artscapeレビュー

2013年12月15日号のレビュー/プレビュー

フェスティバル/トーキョー13 東京ヘテロトピア

会期:2013/11/09~2013/12/08

[東京都]

高山明の東京ヘテロトピアは、携帯ラジオをもって、都内のアジアと所縁のある地をめぐって、そこで音声を聴くツアー形式の作品である。全部のスポットをまわるのは難しいが、池袋と朝鮮独立運動、新大久保とネパール人のコミュニティを訪れた。確かに、その場で語りを聴くことで、都市の見え方が変わる。

2013/11/17(日)(五十嵐太郎)

城下浩伺 展

会期:2013/11/07~2013/11/18

la galerie[大阪府]

1997年に京都造形芸術大学のデザイン学部を卒業した城下浩伺。これまで約10年間未発表のまま、ケント紙にGペンと墨汁で描くというドローイングをこつこつと制作し続けていたそうなのだが、今年の春には大阪で個展を開催、その後もグループ展に出品するなど、近頃積極的に発表活動を行なっている。今回の会場は、大阪府茨木市にある古民家を改築したギャラリー。夥しい数の繊細な線が余白を埋めて拡散するようなドローイングが壁面と床面にも展示されていた。なにか特定のイメージがあるのか、あるとすればそれはどんなイメージなのか、まったくわからないが、直線の反復と集合が成すなにかの断片のような形象は、模様のようにも、ビルや家々が建ち並ぶ町並みを俯瞰した図のようにも見えて面白い。表現やマチエールがシンプルな分、一見どの作品も似かよった印象があるが、近づいて、じっくり見ているとそれぞれの異なる趣きに気づき、引き込まれていく。小さな驚きが潜んでいる作品。これからも楽しみにしている。

2013/11/17(日)(酒井千穂)

松本知佳 展

会期:2013/11/26~2013/12/01

アートスペース虹[京都府]

芝生の広場、ぽつんと空を背景に立っている1本の木など、ただ広々とした景色やそののどかな情景を描いた作品が展示されていた。画面に人物などは描かれておらず、寂寞感もあるが、どれにも既視感と親近感を覚えて、再度振り返って見たくなる魅力がある。あまりにも何気ない場面でありながら、作家の視線の高さやそこでぼんやりと眺める遠望といった対象との物理的、心理的距離感がリアルに感じられるせいかもしれない。よくありがちな風景画ともひと味違う雰囲気が記憶に残る。

2013/11/17(日)(酒井千穂)

《那覇市新庁舎》《小禄南公民館・図書館》《浦添大公園・管理事務所》

[沖縄県]

沖縄で幾つかの建築をまわる。首里城付近では、新しい赤瓦のまちなみが増殖している。新しく登場した那覇市新庁舎は、今後、全体のフレームが緑に覆われていくだろう。県庁舎の展望台では、過去の庁舎の歴史が展示されていた。階段状のヴォリュームで四方から、真ん中の広場を囲む小禄南公民館・図書館が、個性あるよい建築だった。またファイブ・ディメンジョンが手がけた浦添大公園南エントランスの管理事務所は、赤瓦を使いながら、幾何学的な操作をメインとし、屋根も多面体の一部のようである。上からみると屋根が、第五のファサードとしてよく見える。赤瓦絶賛でもなく、反赤瓦でもなく、ジャンル映画のように、赤瓦を使いながら、新機軸のデザインを展開しているところが興味深い。
写真(上から):那覇市新庁舎、小禄南公民館・図書館、浦添大公園・管理事務所

2013/11/20(水)(五十嵐太郎)

トーキョーワンダーウォール都庁2013 西村一成

会期:2013/11/07~2013/11/28

東京都庁第一本庁舎3階南側空中歩廊[東京都]

西村一成は人物も動物も風景も抽象もこだわりなく、ガンガン描いている。間違いなく「天然」のよさがあるんだけど、1日何枚も描き続けてると100パーセント天然じゃなく、作為が見られるようになる。いわばプロの「ヘタウマ」と化しつつある。天然の素人かプロのヘタウマか、うーんビミョーなところだ。

2013/11/20(水)(村田真)

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