artscapeレビュー
2014年08月15日号のレビュー/プレビュー
七月あたりの堂東さんと桐月さんと宮田さん。
会期:2014/07/29~2014/08/03
ギャラリー恵風[京都府]
版画の3人の作品は、それぞれに個性があるし描いているものも違うのだけど、作品の並びも混ぜてあって、その境界はあいまい。似ているといったら身も蓋もないが(実際似ているのは、人柄なのだろう。たぶん)、淡水と海水が混じり合う場所のような感じで、このまとまりは、ユニットという感覚ともまた違う。ゆるいというのも安易(実際ねこがサッカーしてたりしてゆるいけど)。よく見るとタイトルも「七月あたりの」とぼんやりしてるし、じわじわくる。この感じは……ご近所さんと参加するお祭のような行事感覚に、近い。こういう行事が毎年予定されてるって、やるほうもいくほうも幸せです。来年の7月が楽しみになってきた。
2014/08/03(日)(松永大地)
プレビュー:ただいま。カーネーションと現代美術。
会期:2014/09/03~2014/09/10
岸和田市立自泉会館展示室[大阪府]
大阪の岸和田市立自泉会館で、岸和田市や周辺の出身/在住のアーティスト6組を紹介する展覧会が開催される。出品作家は稲垣智子、大﨑のぶゆき、西武アキラ、永井秀夫、ワウドキュメント、吉村萬壱。これまでの活動や作品がそれぞれユニークであるがゆえに「ただいま。」というタイトルの響きもいっそう濃厚に感じられる。会場は国の登録文化財となっている近代建築。9月5日に開催される「Yogiによるクリスタルボウルライブ」も建物の趣とともに楽しめそう。
2014/08/07(木)(酒井千穂)
プレビュー:金氏徹平展 四角い液体、メタリックなメモリー
会期:2014/10/04~2014/11/03
京都芸術センター[京都府]
京都国際舞台芸術祭KYOTO EXPERIMENTの企画。彼の作品は、近年は舞台芸術とも親密ゆえに、芸術祭のプログラムのひとつに。会期中は初日のライブペインティングにはじまり、ライブやパフォーマンスもある。今更な表現だが、ジャンルの壁をものともしないタフなスタイル、自由さが特徴なだけに、関連企画にも期待したい。京都駅南のHOTEL ANTEROOMでも個展が同時開催されるようで楽しみ。
2014/08/08(金)(松永大地)
プレビュー:イメージの力 国立民族学博物館コレクションにさぐる
会期:2014/09/11~2014/12/09
国立民族学博物館[大阪府]
東京・国立新美術館で公開された同展が、みんぱく(国立民族学博物館)でも特集としてとりあげられる。人間がつくりだしたイメージにまつわる600点。関西に住んでいると、近くになってすぐ見れると思ってしまうからよくない。みんぱくの力を再認識する機会としても最適。
2014/08/08(金)(松永大地)
カタログ&ブックス│2014年8月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
北山恒の建築空間
2002年発行の作品集『 ON THE SITUATION 』(ギャラリー間での個展カタログ)以降、現在進行中の《モンナカプロジェクト》までをまとめた作品集。「人と人の関係性をつくることから空間を構想してみよう。建築とは空間を仕切る壁の問題ではなく、空間と空間の『間:in-between』の問題なのだ。」[本書本文より]
大阪万博が演出した未来 前衛芸術の想像力とその時代
1970年に開催され、6,000万人以上を動員した大阪万博。太陽の塔・せんい館・鉄鋼館といったパビリオンの内容や武満徹ら芸術家の活動、具体美術協会などの動向を取り上げて、これまで語られなかった大阪万博と前衛芸術との関係性を分析する。海外の万博の成果も取り込みながら、音楽・映像・照明・機械で「未来」を演出した大阪万博の現代的な意義を浮かび上がらせる。[本書カバーより]
「Mother/Land」展カタログ
小山市制60周年車屋美術館開館5周年記念として今年の6月28日から開催されている展覧会「Mother/Land」の展覧会カタログ。ニューヨーク在住の原田真千子をゲスト・キュレータに迎え、土地と人、さまざまな理由で置き換えられた環境、状況、ディスプレイスメントについて考察する。参加アーティストは、鳥光桃代、ニコラス・ガラニン、古郷卓司、ラウラ・ホレリ、安田佐智種、シゲユキ・キハラ、ゲッラ・デ・ラ・バス、守章。
2014/08/18(月)(artscape編集部)