artscapeレビュー

2010年04月15日号のレビュー/プレビュー

フルコース食と現代美術part6

会期:2010/03/19~2010/03/31

BankARTスタジオNYKほか[東京都]

BankART好例の「食と現代美術」、今回は1カ所で見たり食べたりするのではなく、馬車道から黄金町まで7つのポイントを巡りながら、アーティストの料理や野毛の鯨料理、そしてなんと一般家庭の食事までいただいちゃおうというBankARTならではのフルコース企画。実際に食べ歩きするので、昼夜2部制で各回50人(25組)限定となっている。まずNYKで木村崇人の電気ソーセージを食べ、本町実験ギャラリーで酒を飲み、ぴおシティでクジを引き、野毛で鯨を食い、かもめ荘で白飯を、一般家庭でおかずをもらい、桜荘で食すという順。しかしこれはもはや現代美術とか展覧会とかの枠を踏み外してしまっていないか。次回はどうする?

2010/03/19(金)(村田真)

「デザイナーズ集合住宅の過去・現在・未来」展

会期:2010/03/10~2010/03/20

新宿NSビル16階 インテリアホール[東京都]

ミサワホームAプロジェクトの大島滋と、社会学者の南後由和が企画監修にあたり、集合住宅のあり方を、さまざまな観点から取りあげた展覧会。「デザイナーズ」と付いているが、実際には「デザナーズ集合住宅」という枠組み(なんてそもそもつけられないであろうが)を揺らすような、構成であったともいえよう。会場は5つのパートに分かれ、それぞれ、集合住宅に関する統計データの可視化、集合住宅的要素についてのアンケートからの展示、企画仲介業者によるパネル説明、10の系に分けた世界の集合住宅の紹介、Aプロジェクトによる建築家のプロジェクトの展示である。集合住宅をめぐって、大きく三つの視点が絡み合いながら展開していたのではないか。つまり、社会学者の視点、不動産会社の視点、建築家の視点である。それらを統合する答えを出そうとしているわけではない。むしろ、並列して視点を提示しているところが、複雑にさまざまな立場の人たちが絡んで成立している集合住宅の現実を示しているように思われた。大島氏の成果のひとつは、その複雑な現実の立場のひとつとして、建築家を提示したところにあるだろう。南後氏を起用したことからも分かるように、建築家を社会とつなごうとする、真摯な意図を持つ企画であったといえる。

URL=http://www.a-proj.jp/event.html

2010/03/19(金)(松田達)

合田佐和子 展

会期:2010/03/01~2010/03/20

ギャラリー椿[東京都]

70~80年代の旧作も出ているが、メインはここ3~4年ほどの新作。マリリン・モンローやブルック・シールズら女優の顔を虹色で描いている。でもジョーン・クロフォードのように、戦前に活躍した女優のほうが絵としてしっくりくるのはなぜだろう。それは女優の違いというより、おそらく元ネタにした写真の違いによるのではないかしら。昔の写真のほうがモノクロで被写体深度も浅く、露光時間が長かったため、モデルの人間性まで染み出ているからだろう。

2010/03/20(土)(村田真)

ポンペイ展

会期:2010/03/20~2010/06/13

横浜美術館[神奈川県]

去年も上野の西洋美術館でやったばかりなのに、またポンペイ展。ここ10年ほどで3~4回は開かれてるぞ。そんなに人気かポンペイ。しかも日曜ということもあるが意外な混みよう。地震と火山の国日本だからこそ無関心ではいられないのかも。学術研究的な昨年の展示より、今回のほうがフレスコ画がたくさん出ていてうれしい。売店ではポンペイ糖を売っていた。

2010/03/21(日)(村田真)

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ほとばしるエネルギー:横浜市民ギャラリーをかけぬけたアヴァンギャルドたち──60~80年代を中心に

会期:2010/03/02~2010/03/23

横浜市民ギャラリー[神奈川県]

ポンペイ展とは打って変わってこちらの会場は閑散としている。そりゃまあ2000年前のポンペイのフレスコ画に比べりゃ、こっちの絵はまだ20~50年しかたってないからな。横浜市民ギャラリーは1964年に開館、「今日の作家展」などを通して集めてきた作品を紹介している。岡本太郎から宮脇愛子、池田満寿夫、菅木志雄まで、なんか1周遅れのアヴァンギャルドを見てるようなわびしさも。

2010/03/21(日)(村田真)

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2010年04月15日号の
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