2020年08月01日号
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artscapeレビュー

透明な奥のほう

2013年08月15日号

会期:2013/06/23~2013/07/13

CAP STUDIO Y3[兵庫県]

大阪のgallery wks.で同時開催された淺野夕紀、上村亮太、桜井類、田岡和也の四名の作家による展覧会「透明な奥のほう」の神戸展。こちらは出展作家たちの制作現場でもあり、ホームとも言える会場。大阪では、各作家の作品展示数も少しずつだったが、CAP STUDIO Y3は、各展示をそれぞれの個展のように鑑賞できるボリューム感で、ゆっくりと満喫した。上村亮太は1階のカフェスペースでテキスタイル作品などの展示・販売。4階のギャラリースペースで、桜井と田岡の展示が行なわれていた。淺野は自らの制作室での展示。壁面をぎっしりと埋め尽くすように展示された田岡のドローイングは日々の通勤電車のなかで毎日描いていたと聞いたのだが、作家の視界に飛び込む車窓の光景や、電車の中の状況が目に浮かぶ臨場感もあって面白い。色鉛筆や水彩でたいへん繊細な表現を行なっている浅野の展示空間は、その密やかで小さな作品世界の魅力が凝縮していた。そして桜井の作品も良かった。「透明な奥のほう」という言葉をもとに構成したというその絵画の展示は、空間全体がインスタレーションの作品になっており「見る」という感覚にもアプローチするトリッキーな展示だった。大阪会場にあった桜井の絵画作品の意図やコンセプトをここで理解できたのも嬉しい。最終日に駆け込んでしまったが足を運んでこちらも見ることができて良かった。


桜井類の展示


田岡和也の展示

2013/07/13(土)(酒井千穂)

2013年08月15日号の
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