2020年02月01日号
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artscapeレビュー

片山博文「Facts in Flatness」

2013年08月15日号

会期:2013/07/05~2013/08/03

タロウナス[東京都]

つまらない日常風景を撮った退屈なスナップ写真。のように見えるけど、かすかにどこかが変だと感じる。この違和感、巧妙なスーパーリアリズム絵画を見たときに感じる「ズレ」に近い。写真そっくりなんだけど線や面がきれいすぎて「ひょっとしてニセモノ?」と疑う感じ。実際、片山はCGで「ニセモノ」の写真をつくり出している。解説によると、画素で構成されるペイント系ソフトではなく、ベクトルデータで構成されるドロー系ソフトを用いてデータ化されているため、拡大し続けても画素(ドット)が現われず、イメージが失われないという。理論はさっぱりわからないが、その効果は見ればわかる。線や面の不自然なほどのなめらかさは、ベクトルデータの集合体として再現されているからなのだ。しかしそんな高度なテクノロジーを用いながら、描かれているのがありふれた都市風景である点に新たな違和感を覚える。でも実はそこに作者の問題意識があるはずだ。つまりどこにでも見られる風景にこそ現実と非現実との見えないミゾを感じるべきだと。その意味でこれらの作品は写真でもCGでもなく、都市論に属するのかもしれない。ちょうどスーパーリアリズム絵画がいわゆる具象画の範疇に入れられず、主題の選び方からポップアートに分類されるのと似ている。

2013/07/25(木)(村田真)

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