artscapeレビュー
稲垣元則「427Drawings」
2013年08月15日号
会期:2013/06/15~2013/07/13
ギャラリーノマル[大阪府]
B4サイズに描かれた427点のドローイング作品がギャラリーの壁面を埋め尽くしている展示に、思わず「わあ」と声もあげてしまった稲垣元則の個展。展示されていたのは21年前から日々描き続けているというドローイングで、膨大な量から今展のために選び出したもの。これまでの個展で私が見た作品の数々へとつながる、作家のイマジネーションという意味でも、稲垣がこつこつと続けてきた制作活動の道のりを示すものという意味でも、見応えのある展示だった。写真や映像などの作品も手がけ発表している稲垣。もちろんこれまでの表現の変遷もうかがえる展示だったのだが、作家の制作のあり方という芯の部分はずっと貫かれていることも感じた今展。とても良いものを見せてもらった気分だった。
2013/07/13(土)(酒井千穂)