2020年02月01日号
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artscapeレビュー

選挙2

2013年08月15日号

想田和弘の観察映画『選挙2』を見る。2011年4月、東日本大震災直後の川崎市議選において、誰も原発を争点にしないことに怒りを覚え、かつて自民党から出馬した山内和彦が再び立ち上がるというものだ。とりわけ、最終日に初めて行なった街頭演説で、「山さん」が、僕に票を入れなくてもいいから、みなさん選挙に行ってくださいと訴えるシーンが印象的だった。基本的にはコミカルな映画でもあるが、監督の想田和弘の論考「日本人は民主主義を捨てたがっているのか?」(『世界』2013年6月号)を読んだ後だと、公であるはずの選挙なのに、自民党候補者の撮影拒否、そして市議選の状況や結果も、恐ろしいものに思えてくる。2年前の出来事なのに、まさにいまの日本を予言的に描いた映画のようだ。

2013/07/19(金)(五十嵐太郎)

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