2019年10月15日号
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artscapeレビュー

米田知子「暗なきところで逢えれば」/トーキョー・ストーリー2013「私をとりまく世界」

2013年08月15日号

[東京都]

暗なきところで逢えれば:東京都写真美術館 2階(2013/7/20~9/23)
私をとりまく世界:トーキョーワンダーサイト渋谷(2013/7/13~9/23)

米田知子の「暗なきところで逢えれば」展(東京都写真美術館)は、場所と記憶をめぐる写真たちが並ぶ。一見なんの変哲もない風景と思い、通り過ぎたものが、別刷の作品リストのタイトルを読むと、歴史的な事件の現場であることがわかり、そのギャップに驚かされる。すなわち、直後のドキュメントではなく、しばらく時間が経過した後に現場で撮影したものだ。モニュメントとは違うかたちで、日常のなかに静かにひそむ記憶を抉る。
次に、やはりあいちトリエンナーレ出品作家の池田剛介が参加している、渋谷の「トーキョー・ストーリー2013」展へ。南相馬の仮設住宅地では自転車による発電プロジェクトを行なったように、水と運動エネルギーを使うのは彼の特徴だが、今回は「干渉の森」と題し、ぐるぐる回転する小さな植物群を使い、とりわけユーモラスにも見えるインスタレーションだった。微振動が電気エネルギーとなって、かすかな音に変換される。

写真:池田剛介 《干渉の森》

2013/07/31(水)(五十嵐太郎)

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