2020年04月01日号
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artscapeレビュー

堂島リバービエンナーレ2013「Little Water」

2013年08月15日号

会期:2013/07/20~2013/08/18

堂島リバーフォーラム[大阪府]

大阪の堂島リバーフォーラムで開催される国際展、堂島リバービエンナーレの3回目。台湾出身のキュレーターで、テート・ギャラリーのアジア購入委員会の委員でもあるルディ・ツェン氏をアーティスティック・ディレクターに迎えて開催された今回は、テーマを「Little Water」として、水の複雑性や多様性、詩的な美しさを表現するアーティスト、28組の作品が紹介された。展示作品は、日常の身近な感覚に基づいてさまざまなイメージを喚起するものから、雄大な自然やその時間の流れ、宇宙に想像をめぐらすものまでさまざまだが、いまもふとしたときに思い出すのが、エントランスホールに展示されていた台湾生まれニューヨーク在住のアーティスト、リー・ミンウェイの《動く花園》。約15メートルの花崗岩のテーブルと、その中央にある溝から生えたたくさんのバラで構成された作品なのだが、こちらは来場者が会場を去るときに花を1本持ち帰り、見ず知らずの人にプレゼントするということで成立する。持ち帰った人の行動と花の行方に想像を巡らすのも楽しくドラマチック。全体に、静けさを保った会場の展示構成も、詩的な趣きをたたえた内容もじつに美しく、アーティスティック・ディレクター、ルディ・ツェン氏の各作品への眼差しや価値観も伝わってくるようだったのが素晴らしい。多くの人に見てほしいと感じた展覧会だった。

堂島リバービエンナーレ Facebook=https://www.facebook.com/pages/DOJIMA-RIVER-BIENNALE堂島リバービエンナーレ/322211084571096?fref=ts

2013/07/19(金)(酒井千穂)

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