2021年01月15日号
次回2月1日更新予定

artscapeレビュー

2010年03月15日号のレビュー/プレビュー

安楽寺えみ「CHASM(裂け目)」

会期:2010/01/12~2010/02/20

ギャラリーパストレイズ[神奈川県]

なにかの隙間からひとりの女性を見ている構図。われわれは女性が服を脱いで風呂に入る姿を、彼女に気づかれないようにのぞいている。つまり「のぞき写真」。スザンナと老人みたい。でもホンモノの「のぞき写真」なら犯罪もんだが、安楽寺自身がモデルだから「自作自演」のセルフポートレート(+セルフヌード)ですね。そのぶん臨場感は減るが、付加価値は増す。

2010/02/03(水)(村田真)

須田一政「常景」

会期:2010/02/03~2010/02/16

銀座ニコンサロン[東京都]

須田一政の軟体動物がうごめいているような写真世界は、1970年代からずっと気になっていた。6×6判のフォーマットの写真集『風姿花伝』(1978年)で、そのスタイルはほぼ完成するが、その後も、大判カメラ、ミノックスのような超小型カメラ、ポラロイドなどを含むさまざまなカメラを義眼のように取っ替え引っ替えしながら、記憶の奥底を覗き込むようなイメージを定着し続けてきた。1940年生まれ(荒木経惟、篠山紀信と同じ)だから、今年70歳になるわけだが、今回の個展を見てもその「ざわざわ」「ぬめぬめ」「ゆらゆら」としたスナップショットの奇妙な味わいは健在である。
タイトルの「常景」というのは須田の造語のようだが、「変哲のない存在の深さ」を探るというこのシリーズの意図にぴったりしている。彼の写真を見ていると、見慣れた街の眺めが異形の何ものかに変質し、あたかも生きもののようにうごめきはじめるように思えてくる。そのあたりのことを『アサヒカメラ』(2009年12月号)の記事で、「モノを見るとき、そのモノの本来の姿に、僕の妄想をキノコの菌糸を植えつけるように、なにかを仕掛けていっている感じ」と表現しているのだが、これは言い得て妙だろう。「妄想のキノコ」は思わぬ場所に次々に生えてきて、世界をアニミズム的な生気で満たしている。たしかにやや不気味ではあるが、どこか懐かしく、目に気持よく馴染む眺めだ。

2010/02/05(金)(飯沢耕太郎)

レベッカ・ホルン展

会期:2009/10/31~2010/02/14

東京都現代美術館[東京都]

なんか懐かしいなあレベッカ・ホルン。なんでいまごろ東京で個展をやるのかわからないけど、動く作品を見て思ったのは、動きや形態がカニやウミユリみたいな水中生物に似ていること。墨をかけるところはイカみたいだし。映画『エイリアン』と通じる世界。

2010/02/05(金)(村田真)

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サイバーアーツジャパン──アルスエレクトロニカの30年

会期:2010/02/02~2010/03/22

東京都現代美術館[東京都]

なんだろう、一見にぎやかそうなのにこの寒々とした空気は。ちょうど、近未来を予測したかのような大阪万博が30年後に回顧されたときに感じた切ない気分、に近いかもしれない。10分で出た。

2010/02/05(金)(村田真)

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MOTアニュアル2010:装飾

会期:2010/02/06~2010/04/11

東京都現代美術館[東京都]

工芸館の「装飾の力」が終わったと思ったら「MOTアニュアル」でも「装飾」がテーマだという。両展に重なってるのは青木克世ただひとりで、工芸館でも見かけた作品があった。引っぱりダコってやつ? 引っぱるだけでなく買ったげなさい。ほかに、大きな紙を細かく切り抜いていく塩保朋子、超絶技巧で網の目のような木彫をつくる森淳一、床に塩で迷路状のパターンを描く山本基など、装飾というよりどっちかというと偏執狂的な作品が多い。

2010/02/05(金)(村田真)

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2010年03月15日号の
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