2017年12月15日号
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artscapeレビュー

感じる服 考える服:東京ファッションの現在形

2012年01月15日号

会期:2011/10/18~2011/12/25

東京オペラシティアートギャラリー[東京都]

最終日なので混んでいる。おまけにクリスマスのせいか若いカップルばかりが目立ち、おやじ率は極度に低い。ぼくだって別にファッションを見に来たわけではなく、展示ディスプレイが変わっていると評判だから確認しに来ただけなんです。いちいち弁解することでもないが。ギャラリーに入ると、たしかにヘン。会場は10組のデザイナーの作品ごとにブース分けされているのだが、それが壁で仕切られているのでなく、ほぼ目の高さに設定された梁のような帯状の板で区切られているのだ。そのため、空間的な開放感がありながら隣の作品が目に入らず、とりあえず目の前の作品に集中できるというメリットがある。なるほど、これはよく考えられているなあ、と感心しつつ、しかし作品を見るとき以外は視野の中央部が遮られるわけで、これは想像以上にストレスを感じる。だいたい移動するのにいちいち頭を下げて板をよけなければならないのがメンドクサイ。肝腎の作品は、いわゆる先端のファッションを紹介するといった類のものではなく、ストリート系や社会学的アプローチからファッションを問い直すといったように、思った以上に「ファッション」から遠ざかっていてぼくのような門外漢でも楽しむことができた。だから後にこの展覧会のことを思い出すとき、作品よりまず目の前を遮っていた白い板が真っ先に思い浮かんでしまうのは少し残念ではある。この展示ディスプレイはしたがって、凡庸な展覧会の退屈さを少しでも和らげるために使うべきではないか。

2011/12/25(日)(村田真)

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