2017年06月15日号
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artscapeレビュー

南相馬市プロジェクト「塔と壁画のある仮設集会所」塔の完成

2012年01月15日号

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会期:2011/12/12~2011/12/13

南相馬市[福島県]

塔の建設を見届けるべく、南相馬市の仮設住宅地を訪れた。11月に建設資材は運び込み、基礎のコンクリートと中央の支柱はすでに完成していたので、この日はクレーンで三角形の木のフレームを持ち上げ、積んでいく作業が始まった。鮮やかに着彩されたユニット群が垂直に立ち上がっていく。彦坂尚嘉が和歌の形式にならって、5、7、5、7、7のパターンで色を塗り分けているが、高くなるにつれて、色の組み合わせ効果も見えてきた。機能をもたない純粋な塔は、幾何学的な抽象彫刻である。集会所の内部を見ると、さまざまな飾り付けが増えていた。天井から吊り下げられた折り紙群、カラオケ大会の記念写真、標語などである。三角形のユニットは、微妙にズレながら、回転しつつ空に向かう。近隣の仮設住宅地の人たちからも、ここに何ができるか、大きな関心をもたれているようだった。全部で90段を積み、8mの高さに到達する予定だったが、日が暮れるのが早く、初日は全体の1/3程度で切り上げ、翌日に完成した。そして後日、これを「復活の塔」と命名する。また12月23日には、NHK BSの番組「地球テレビ:エル・ムンド クリスマス・スペシャル」において現場から中継された。

2011/12/12(月)(五十嵐太郎)

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