artscapeレビュー
2011年03月15日号のレビュー/プレビュー
カタログ&ブックス│2011年3月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
アーキペラゴ 海と島と山を渡る──みるきくあるくフィールドワークショップ
2010年11月25日から11月28日に石川直樹をゲスト・アーティストにむかえ、おこなわれた「アーキペラゴ/海と島と山を渡る──みるきくあるくフィールドワークショップ」をまとめた写真集。民俗学者・宮本常一の軌跡をたどる。
文学のミニマル・イメージ モーリス・ブランショ論
20世紀、文学という芸術の本質について、最も徹底的な思索を重ねたモーリス・ブランショ。その最深部にはいかなる逆説が潜んでいるのか? デリダ、ディディ=ユベルマンらのイメージをめぐる哲学を視野に、詳細にブランショの文学概念をたどり、現代文学研究の到達点を示す。フランス文学研究の新たな才能・郷原佳以の誕生を告げる1冊![左右社サイトより]
セヴェラルネス+ 事物連鎖と都市・建築・人間
時の移ろいを組入れた建築・都市論、増補版。桂離宮、ローマ都市からメタボリズムまで、古今東西の事物と人間との創造的な連鎖の関係を明らかにし、よりよい環境づくりへの根源を示す。「先行形態論」を新たに追加。[鹿島出版会サイトより]
私は生まれなおしている 日記とノート 1947-1963
スーザン・ソンタグ14歳から30歳までの日記。激動する時代に対峙する思索の記録であり、10代での結婚、出産、離婚、同性愛の幸福と不幸に揺れる姿までもが赤裸々に綴られる衝撃の書![河出書房新社サイトより]
愉快な家 西村伊作の建築
2011年3月5日から11月19日までINAXギャラリーを巡回する「愉快な家−西村伊作の建築− Houses for Comfort」展の展覧会カタログ。大正から昭和にかけて自由闊達に、鮮烈に生きた人物、西村伊作(1884-1964)。彼の理想の住まい・暮らしのユートピアを記録した貴重な一冊。[INAX出版サイトより]
ディドロの唯物論 群れと変容の哲学
神もなく、弁証法的統一もない物質世界のうちに、不定形で「怪物的な」自然の秩序を発見したディドロ。百科全書的体系知の根底にうごめく「奇形」への眼差し、同時代の化学や生理学にもとづくラディカルな自然史的認識はいかに形成されたのか。その著作群への鋭利で精密な分析を通じて、唯物論的一元論者としてのディドロのアクチュアリティを示し、従来の哲学者像を大きく書き換える力作。[大学出版部協会サイトより]
ゴダール的方法
その音‐映像を0.1秒オーダーで注視せよ。高解像度の分析によって浮かび上がる未聞のJLG的映画原理。映画史=20世紀史を一身に引き受けようとするゴダールは、映画に何を賭しているのか? そして21世紀のゴダールはどこへ向かうのか? 映画論の「方法」を更新する新鋭の初単著。ゴダールとともに、知覚経験の臨界へ![INSCRIPT correspondenceより]
2011/03/15(artscape編集部)