2021年10月15日号
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artscapeレビュー

The Emerging Photography Artist 2012 新進気鋭のアート写真家展

2012年03月15日号

会期:2012/02/21~2012/03/04

インスタイル・フォトグラフィー・センター[東京都]

2010年に写真専門ギャラリーのディーラーを中心に発足したジャパン・フォトグラフィー・アート・ディーラーズ・ソサイエティー(JPADS)は、これまで何度かアート写真のフェアを開催してきた。クオリティの高い作品が多かったのだが、有名写真家の作品だとかなり値段は高めになる。そこで、写真学校に在学中、あるいは卒業したばかりの若手写真家を中心に開催することになったのが、今回の「新進気鋭のアート写真家展」である。このような試みは、顧客の幅を広げていくという意味でなかなかいい企画だと思う。あの手この手で、この不況の時期を乗り切っていくことが求められているからだ。
今回はディーラーのほかに、写真ワークショップの主宰者や写真教育機関に属する先生たちを推薦者として委嘱し、16名の写真家が選ばれている。推薦者は福川芳郎(ブリッツ・ギャラリー)、北山由紀雄(岡山県立大学)、圓井義典(東京工芸大学)、松本路子(写真家)、斎藤俊介(キュレーター)、高橋則英(日本大学芸術学部)、山崎信(フォトクラシック)の7名。彼らが選んだのは安達完恭、相星哲也、青木大、イワナミクミコ、市川健太、石川和人、川島崇志、岸剛史、小林信子、新居康子、西村満、斎藤安佐子、酒井成美、佐藤寧、鈴木ゆりあ、高畑彩である。川島や酒井の映像処理のセンスのよさ、斎藤や佐藤の緻密な画面構築、高畑のナイーブな感性など、可能性を感じる作品が多かった。だが、総じてまとまりがよすぎて、はみ出していくパワーを感じられない。ぜひ何度か続けてほしいのだが、「アート写真」の枠組みにおさまりにくい作品もあえて選んでおかないと、こぢんまりした紹介展で終わってしまいそうな気がする。

2012/02/22(水)(飯沢耕太郎)

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