2021年10月15日号
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artscapeレビュー

京都市立芸術大学作品展

2012年03月15日号

会期:2012/02/08~2012/02/12

京都市美術館 京都市立芸術大学構内[京都府]

京都の卒業制作展のシーズン。京都市立芸術大学は毎年「作品展」として京都市美術館と大学構内の二会場で美術学部、大学院美術研究科修士課程の学生全員(約700名)が作品展示をする。学内展示は、学生一人がひとつの教室を使用している場合も多く、それぞれの個展空間のようにもなっているので、見る側もじっくりと鑑賞できて作品も印象に残りやすいのが良い。今年、思わず釘付けになり、見入ってしまったのが「アトリエ棟」で発表していた油画四回生の藤井マリーの壁面をいっぱいに使った作品。少女や乗り物、家具など小さなモチーフと模様のパターンがぎっしりと描かれた繊細なペンのドローイングには迫力もあり、混沌のなかに物語性もあって面白かった。油画修士2回生の岡田美紀、中山明日香、馬場佳那子、博士課程油画領域の黒宮菜菜の絵画など、大学院生の作品にも魅力的なものがいくつもあり、なかなか見応えがあった。美術館と大学構内、二つの会場の展示数もさることながら、会場同士がずいぶん離れているので、全部を見ようとすると駆け足になるし一日がかりになるのが毎年悩ましい。しかし今年は美術館から大学までの直行シャトルバスが最終日に用意されていて、それを利用できたので例年になく移動もスムーズで、いつもよりゆっくり見ることができたのが嬉しい。しかしこのバス、さぞいっぱいなんだろうと思っていたら乗客は6~7名しかいなかった。たいへんもったいない。

2012/02/12(日)(酒井千穂)

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