2021年10月15日号
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artscapeレビュー

鈴木孝平 FEEDBACK 2010-2012 無意識と暗黙──日常性の開拓に向けて

2012年03月15日号

会期:2012/02/10~2012/02/19

LABORATORY[京都府]

立命館大学映像学部の4回生で、この春に京都市立芸術大学大学院修士課程に進学する鈴木孝平。日常的なものごとを観察し、社会通念や常識などを含めた人々の無意識にアプローチする作品を、映像のみならず写真、立体、パフォーマンスなどさまざまな表現で意欲的に制作してきた。初個展となる今展では、新作とともに、これまでに発表した映像作品、立体作品などをまとめて展示。会場には、撮影した風景の映像を表面にロウを塗ったスクリーンで上映しながら、そのスクリーン自体を燃やしてしまうというプロジェクトの記録映像、立ち入り禁止のサインとしてよく使われる赤いコーンを屋外に設置し、実際に目にしている景色、見るという意識の関係の変化に注目したプロジェクト(の再現)などが展示されていた。鈴木の作品は、コンセプチュアルであったりサイトスペシフィックという特徴をもつものが多いため、このような空間では特に、説明がなければ脈絡や意味も掴めず、面白さを理解しにくい。今展では全体的に、話を詳しく聞かなければほとんど解らないものが多かったのが残念だったが、平安神宮の巨大な赤い鳥居や、三条京阪前の「土下座像」として知られる高山彦九郎象など、京都の有名なランドマークを取り除いた風景写真は今後のシリーズもあればぜひ見てみたいと思った写真だ。これからの活躍を楽しみにしている。

2012/02/16(木)(酒井千穂)

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