2021年12月01日号
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artscapeレビュー

フェルメールからのラブレター展

2012年03月15日号

会期:2011/12/23~2012/03/14

Bunkamuraザ・ミュージアム[東京都]

2度目のフェルちゃん、今回はニコンの単眼鏡(7倍)を携えての訪問。単眼鏡は画面を拡大して細部まで観察するために買ったのだが、拡大するだけでなく、画面を枠どり(丸いが)その部分に神経を集中させるという予想外の効果ももたらしてくれた。これによって判明したことその1、《手紙を読む青衣の女》はピントを合わそうにもボカシが絶妙なため合わせにくいこと。これは輪郭がはっきりした《手紙を書く女と召使い》と対照的で、もちろんほかの画家にも見られない特徴だ。このピンボケ感をフェルメールの独自性と考えると《手紙を読む青衣の女》はまさに画家の代表作といえるだろう。その2、手の描き方がヘンなこと。これは前々から疑問に感じていたことだが、たとえば《絵画芸術の寓意》の画家の右手が妙にぽってりしていたり、《ワイングラスを持つ女》《ヴァージナルの前に座る女》の左手が豚足みたいに不格好なのだ。今回の《手紙を書く女》も《手紙を書く女と召使い》も、テーブルの上に置いた左手がどうもおかしい。こんなふうに見えるか? ここになにかフェルメールの秘密が隠されているのではないかと勝手に思っている。

2012/02/22(水)(村田真)

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