2021年04月15日号
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artscapeレビュー

ヤノベケンジ講演会「サン・チャイルドができるまで──人とアートのふれあい、これからの街とアートのありかた」

2012年03月15日号

会期:2012/02/17

茨木市福祉文化会館 5F文化ホール[大阪府]

3月11日、ヤノベケンジによる高さ6.2メートルの巨大なモニュメント《サン・チャイルド》が茨木市の阪急南茨木駅前に設置されるのを前に講演会が行なわれた。347人が定員とされていたのだが、当日はすでに予約でいっぱい、会場も満員だった。《サンチャイルド》は巨大な子どもの像なのだが、ここには「防護服を脱いでも生きてゆける世界を希求し、たとえ傷だらけになっても敢然と脚を踏ん張り、たくましく前を見据えて立ち向かう」という再生・復興してゆく人々へのメッセージと希望が込められている。この日は、哲学者であり総合地球環境学研究所特任准教授の鞍田崇氏が進行役となり、ヤノベ氏がアーティストとして活動するまでのプロセスや、《サン・チャイルド》の制作に至るまでの経緯などが盛りだくさんに語られた。独特の話術で会場に笑いを巻き起こしながら進むトーク。《サン・チャイルド》については、説明よりもなによりも「恥ずかしいくらい前向きなものをつくりたいと思った」という言葉が一番印象的で説得力を感じたのだが、この関連イベントなど、たくさんの催しを企画運営している「茨木芸術中心」の活動にも注目したい。茨木市(の人たち)はなかなかアツいと感じたのが収穫だった講演会。

2012/02/17(金)(酒井千穂)

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