artscapeレビュー
本田このみ 木版画展「スポットライト」
2012年03月15日号
会期:2012/02/10~2012/02/19
京都精華大学の版画コースで木版画を学んだ本田このみ。これまでも同ギャラリーで木版画作品を発表しているのだが、今回が初個展となった。ギャラリーに入って真っ先に目に飛び込むのは《南極点のおべんとう》という700mm×1,200mmの、今展のなかでもっとも大きな作品。ほかには小さなサイズの作品が多く展示されていた。札幌テレビ塔、東尋坊タワー、東京タワー、ゴールドタワー、ポートタワー、京都タワー、スカイツリー、横浜マリンタワー、別府タワー、通天閣などをモチーフにした《現代タワー十景》はカタログを眺めるような楽しさ。《一人暮らしの冷蔵庫》《実家から缶詰》《キャベツ1/2》なども素敵だ。自らの生活空間にある生々しいモチーフがちっともつまらないものにならず、見ていると、むしろ胸が躍るような心地になってくる。豊穣な色彩とパターンが魅力的な本田の作品世界。今回もいくつも欲しい!と思うものがあり悩ましかった。
2012/02/16(木)(酒井千穂)