2021年10月15日号
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artscapeレビュー

第6回展覧会企画公募

2012年03月15日号

会期:2012/01/14~2012/02/26

トーキョーワンダーサイト本郷[東京都]

展覧会の企画の公募なのに、いわゆる展覧会らしい展覧会はひとつもなかった。そういう企画はむしろ拒否しているようにも感じられた。パンフレットによると、2011年度は「いま、本当に必要とされている『場』や『実験』とは何か?」「公共の場で行う『展覧会』とはどうあるべきなのか?」が問われたそうで、審査員の顔ぶれ(毛利嘉孝、神谷幸恵、黒瀬陽平ら)を見ても、まともな(つまりブツが整然と並ぶような)展覧会は期待できそうにない。じゃあどんな企画が選ばれたかといえば、展覧会の枠を踏み外したような、または展覧会とはなにかを問うような、いわばメタ展覧会ともいうべきものだった。たとえば1階(廣田大樹「HARU by Hija Bastarda」)は展覧会開催中というより設営中といった雰囲気で、2~3人の人たちがなにやらつくって展示に加えている。彼らが企画者なのか、アーティストなのか、それとも飛び入り参加の観客なのかわからないが、とにかく雑然として落ち着かない。そもそも企画者─出品者─観客といった役割分担もなさそうだ。パンフレットには「人と人との関係性を創造し、出会いと共同生活を可能にし、時間と場所の感覚を探求すること。これこそが、今回の展覧会での我々の意図する目標です」などと書いてあって、どうやら作品の発表の場というより、出会いのための場づくりをめざしているようだ。2階では音楽が流れ、3階では映像が映されていて、絵画や彫刻などの美術展を期待してきた人はあっけにとられるかもしれない。このように展覧会解体に向かう方向性は高く評価したいが、それが「展覧会」としておもしろいかというと残念ながらそうではない。それが問題だ。

2012/02/17(金)(村田真)

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