2021年10月15日号
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artscapeレビュー

フェルメール──光の王国展

2012年03月15日号

会期:2012/01/20~2012/07/22

フェルメール・センター銀座[東京都]

銀座松坂屋の裏にフェルメール・センターができたというので行ってみる。あれ? ここは以前TEPCO(東電のショールーム)が入ってたビルじゃなかったっけ。2階にプラスマイナスギャラリーがあったから何度か訪れたことがあるけど、いつのまになくなったんだろ。それにしても東電のあとに「光の王国展」が入るなんて、偶然とは思えん。などと思いつつ、エレベーターでいったん5階まで行き、なぜかフロアをぐるっと回って4階に下りると、そこがメイン会場。なんと、フェルメール作とされる全37点の絵画が制作年代順(推定)に展示されているではないか! もちろん複製だけど、単なる複製ではなく、描かれた当時のオリジナルに近い色彩を再現しようとした「リ・クリエイト」なのだという。しかもサイズは原寸大で、色だけでなくテクスチュアや艶も再現されているので(ボケたものもあるが)、各作品を見比べたり全作品を概観するには役に立つ。なにより額縁が各所有館と近いものを選んでいる点を高く評価したい。監修者の福岡伸一ハカセのこだわりか。もう1階下がると、福岡ハカセが著書『光の王国』で提出した仮説の是非を問うかのように、フェルメールと同時代の科学者レーウェンフックの書簡につけられた虫のスケッチが展示されている。レーウェンフックも画家と同じデルフトに住み、両者は交流もあったらしく、ハカセはこの細密なスケッチをフェルメールに描いてもらったものではないかとにらんでいるのだ。もうしそうだとしたら、フェルメール唯一の素描作品ということになるのだが……。最後はショップでフェルメールグッズを買って、入場料1,000円は安いか、高いか。

2012/02/09(木)(村田真)

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