2021年10月15日号
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artscapeレビュー

ヤマダヒデキ

2012年03月15日号

会期:2012/02/06~2012/02/18

gallery wks.[大阪府]

ギャラリーのドアを開けると正面の壁に、花びらや女性の身体の一部を撮影した小さなサイズの写真が十数点展示されていた。よく見るとそれらには、ところどころにひとつか二つ、黒い墨かインクを落としたようなスポットがついている。次に、会場のもっとも広い壁面に、色鮮やかなバラやガーベラなどの花を大きく引きのばした写真が一点。こちらにはどの花にも黒いスポットが無数についていた。圧倒的な迫力も感じられる、美しさと汚れが混在するようなイメージだ。さらにそれに対面する壁には、裸の女性が横たわる写真。こちらは人形かロボットか、どちらかというと無機質な印象だ。作家の死生観を孕んだ「美しさ」のメタファーを、時間軸をふまえて空間ごと表現していた個展。テーマは解り易いがそれぞれの写真自体も美しく、制作の技法や作品の細部などエレメントのこだわりも興味深かった。

2012/02/18(土)(酒井千穂)

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