2021年10月15日号
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artscapeレビュー

AKB48ドキュメンタリー第2弾『DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on少女たちは傷つきながら、夢を見る』

2012年03月15日号

会期:2012/01/27

全国東宝系

AKB48の第一弾は映画として全然ダメだと思ったが、TBSラジオにおけるライムスター宇多丸のレビューを聴いて、二弾を劇場で見る気になった。これはすさまじい作品である。震災とアイドルの絶頂期が重なる偶然も作用し、奇蹟が起きている。大槌町、宮古市、陸前高田市、気仙沼市、多賀城市など、映画で紹介された彼女らがまわった被災地は、すべて筆者も実際に歩いていたので、(彼女たちの目に映っていたであろう)画面の外側の風景が鮮やかに思い出される。これはまぎれもなく一種の震災をめぐるドキュメンタリー映画でもあり(彼女たちの苦労や、アイドルの存在意義が問われる危機ともかぶってくる)、おそらく、被災の程度で見方が変わるだろう。総選挙、ライブ、ジャンケン大会など、所詮ショーはつくりもののコップの中の嵐なのだが、過度な負荷がかかることで、アイドルの生身の人間としてのリアルな身体性が残酷なまでにあらわになってしまう瞬間がある。映画で幾度も挟み込まれる、自由学園明日館で撮影された綺麗なインタビュー映像(逆に、第一弾はこればっかりだった)と対比的なのも興味深い。それにしても、エンターテイメントのために、こんなに負荷をかけて大丈夫なのか? と思わざるをえない。

2012/02/26(日)(五十嵐太郎)

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