2021年11月15日号
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artscapeレビュー

大阪成蹊大学芸術学部(環境デザイン学科・美術学科)卒業制作展

2013年04月15日号

会期:2013/02/027~2013/03/03

大阪成蹊大学南館[大阪府]

2012年度、長岡京(京都府)から現在の相川(大阪府)に移転した大阪成蹊大学芸術学部の移転後初めての卒業制作展。今年は学内での展示で、1期(前期)情報デザイン学科、2期(後期)環境デザイン学科・美術学科と展示会期が分かれていたのだが、私が見に行った2期には環境デザイン学科、美術学科ともに優秀な作品がいくつもあったので、一度で全卒業生の作品を見ることのできない展覧会になっていたのは残念だった。環境デザイン学科・プロダクト・クラフトデザインコースの渡辺宗生が発表していた《kokko》は、木製の棒、ゴム紐、ロープからなるシンプルなユニットで、自由にパーツを組み合わせてスツールやテーブルの脚などにするというキャンプ用のファニチャーキット。“kokko”という「焚き火」を意味するフィンランド語のネーミングは、その音の響きと、気の置けない人々と過ごす暖かなひとときをイメージした「時間」を想い、つけたという。道具として使うためには工夫と知恵が要るのだが、一人では組み立てが難しい場合が多いという点がまた面白い。一緒に過ごす人との協力もその狙いだった。美術学科では、大きく枝を伸ばす松をダイナミックな構図で描いた日本画コース・野口春海の《春は来る》、瀬戸口美紀の《少女の夢》、洋画コース・坂根麻里衣のインスタレーション《モデムちゃん》などが印象に残っている。人数は少ないが、その分、学生達の制作態度や努力、それぞれの感性が鮮やかに見える瑞々しい卒展だった。


《kokko》展示風景

2013/03/02(土)(酒井千穂)

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