2022年01月15日号
次回2月1日更新予定

artscapeレビュー

田中智子の乾漆立像 展「此方彼方(こなたかなた)」

2013年04月15日号

会期:2013/03/011~2013/03/030

Gallery wks.[大阪府]

乾漆技法を用いて人間等身大の立像を制作している田中智子の近年制作の作品を「対」をキーワードに展示した展覧会。私自身は昨夏開催された「隠岐しおさい芸術祭」で西ノ島の焼火神社に展示されていた一対の立像《対になるもの》が記憶に新しい。神社の拝殿という独特の展示空間の作用もあったのだろうが、その神秘的でどこか古雅な佇まいが印象的で、もう一度見たいと思っていたので、今展で展示されていたのは嬉しかった。微笑を浮かべ、エキゾチックな衣装を纏う8点の立像のなかには、角があるものもある。妖怪か妖精か、親近感と違和感を両方覚えるそれらの表情はどれも見れば見るほど豊かで幻想的。どこかで出会いそう、どこにいそうなどと連想が掻き立てられていくのが愉快だ。背景や台座など、工夫が凝らされた展示もその作品世界をいっそう魅力的に見せていた。


展示風景

2013/03/13(水)(酒井千穂)

2013年04月15日号の
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