2022年07月01日号
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第16回岡本太郎現代芸術賞展

2013年04月15日号

会期:2013/02/09~2013/04/07

川崎市岡本太郎美術館[神奈川県]

今年は739点の応募のうち22組が入選。岡本太郎賞は、茶室の壁から柱、畳、釜、茶碗、花入れ、掛軸にいたるまですべて鉄素材・鉄製品を利用してつくった加藤智大の《鉄茶室徹亭》。これはスゴイ。秀吉の「黄金の茶室」より地味だが、きっと金を失ったんで鉄になったんだろう。でもそれがどーした感は否めない。岡本敏子賞は、宇宙からエイリアンが見た地球の姿を絵画、立体などで表現した石山浩達の《エイリアン・ヴィジョン:アンリミテッド・オイル》。これも労作だが、FRPの立体が村上隆のそれに似てたり既視感がつきまとう。特別賞で気になったのは、原寿行《アイ》と小松原智史の《コマノエ》。前者はブタの眼球から取り出したレンズを使って像を映し出す装置で、時間が経つにつれレンズが濁り、像がボケていく過程を見せている。これはおもしろい。ブタの眼球を切り裂く映像はブニュエルの『アンダルシアの犬』を思い出す。さらに鳥とか魚とかイカとか昆虫とかヒトとかさまざまな生物で試してほしい。後者の小松原は会期中、壁3面に貼ったパネルのみならず壁面にも墨でドローイングを増殖させている。その絵柄はボッシュ+山下菊二+ガロのマンガみたいなドロドロのアナクロものだが、時と場所をわきまえずに描き続ける意欲を買いたい。勝手に村田真賞だ。ところで今回、絵画作品が何点かあったが、サイズが巨大なせいかひとつの画像を三つのパネルに連続して描く3連画が多かった。先に挙げた石山の絵画部分がそうだし、ほかに熊野海、宮崎勇次郎、村上幸織、赤川芳之もそう。絵画を出してる大半が3連画だ。なぜ2でも4でもなく3なのか。

2013/03/12(火)(村田真)

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