artscapeレビュー
HOUSE VISION 2013 TOKYO EXHIBITION
2013年04月15日号
会期:2013/03/02~2013/03/024
お台場・青海駅前 特設会場[東京都]
お台場の特設会場に建てた七つのパビリオンを家に見立て、それぞれ建築家と企業が組んで、あるべき「暮らしのかたち」を提案しようというもの。展覧会ディレクターの原研哉によれば「美意識は日本の資源であり、家はその発露の場」だという。屋内に半屋外の土間や縁側を設定し、「懐かしい未来」の家を考えるLIXIL×伊東豊雄、電動二輪をはじめ室内に電気カーが入れるようシームレスにしたホンダ×藤本壮介、集合住宅のプライベートな専有面積を最小にして共有部分を大きくとる未来生活研究所×山本理顕ほか、木材を基点にシンプルな「数寄の家」を発想した住友林業×杉本博司、柱や壁の代わりに家具で家を支える無印良品×坂茂、トイレを中心に家を考えるTOTO・YKK AP×成瀬友梨・猪熊純、既存のマンションをスケルトンの状態に戻して住空間を組み立てていく蔦屋書店×東京R不動産と、七つのパビリオンはどれも大胆な発想ながら実現できなくもなさそうな提案ばかり。いくつかに共通しているのは、住空間の内と外やプライベートとパブリックの境界を曖昧にする方向性だ。なるほど、これからそういう方向に向かうとすれば、アートもそれなりに変わっていかなければな。
2013/03/01(金)(村田真)