artscapeレビュー
2013年11月15日号のレビュー/プレビュー
プレビュー:福岡道雄 展 「僕の顔」
会期:2013/11/11~2013/12/07
ギャラリーほそかわ[大阪府]
1960年代以降、戦後の現代彫刻界を代表する作家の一人として旺盛な活動を展開してきた福岡道雄。黒いFRPの立体一面に「何もすることがない」という文字を連ねて彫り刻んだ作品などでも知られているが、2005年、大阪の信濃橋画廊での個展を機に「つくらない彫刻家」を宣言し、以降制作を断っている。本展では福岡の1960~70年代の彫刻とタブロー作品を展示。チラシに「今見れば反骨と焦燥に満ち満ちた1970年代当時の若い彫刻家のエネルギーが溢れんばかり」と記されていたのだが、その実物をぜひ見て感じたい。11月30日(土)にはアーティストトークも開催される予定(定員20名/要予約)。
2013/11/14(木)(酒井千穂)
カタログ&ブックス│2013年11月
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
フランシス・アリス作品集「Don’t Cross the BridgeBefore You Get to the River 川に着く前に橋を渡るな」
フランシス・アリスの《橋》のプロジェクトから成る手記。移民問題を背景に、想像力をもって二つの大陸に橋を渡す試みを行った《橋》プロジェクト。メキシコ湾での《Bridge/Puente》、そしてアフリカとヨーロッパを隔てるジブラルタル海峡で行った大規模な新作プロジェクト《川に着く前に橋を渡るな》を収載。遠い地の社会的な問題さえ、誰もが共有できるものとして作品に昇華させる卓越した表現には、私たちの生きる社会の寓意が浮かび上がる。最新作品集、日本初刊行。
[青幻舎サイトより]
SOU FUJIMOTO RECENT PROJECT
「武蔵野美術大学 美術館・図書館」の完成から3年。今や国内だけに留まらず、「台湾タワー」や「サーペンタイン・ギャラリー・パヴィリオン2013」の設計者に就任するなど、世界を舞台に活躍し始めた建築家・藤本壮介さんの最新プロジェクト集が遂に登場です。
[GAサイトより]
ラッセンとは何だったのか? 消費とアートを越えた「先」
バブル期以後、イルカやクジラをモチーフにしたリアリスティックな絵で一世を風靡したクリスチャン・ラッセン。その人気とは裏腹に、美術界ではこれまで一度として有効な分析の機会を与えられずに黙殺されてきた。
本書では、ラッセンを日本美術の分断の一つの象徴と捉え、徹底した作品分析と、日本における受容のかたちを明らかにしていく。
ラッセンについて考えることは、日本人とアートとの関係性を見詰め直し、現代美術の課題をあぶり出すことに他ならない。美術批評をはじめ、社会学、都市論、精神分析など多彩なフィールドに立つ論者15名による、初のクリスチャン・ラッセン論。
[フィルムアート社サイトより]
ザ・ネイチャー・オブ・オーダー ─建築の美学と世界の本質─ 生命の現象
アレグザンダーの積年のテーマである「名づけえぬ質=生き生きとしたパタン」からさらに展開し、「生命(Life)」や「全体性(Wholeness)とセンター(Center)」がキーワードとなり、環境の心地よさや美学、保存とその展開への実践が論じられる。図版600点強、490頁(B5判)の圧倒的なボリュームで構成。アレグザンダーの世界観を集大成した一冊。
[鹿島出版会サイトより]
2013/11/15(金)(artscape編集部)