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artscapeレビュー

阪神淡路大震災20周年事業「加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸2015」

2015年02月15日号

会期:2015/01/10~2015/01/18

デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)[兵庫県]

KIITOの阪神淡路大震災20周年事業「加川広重 巨大絵画が繋ぐ東北と神戸2015」を訪れる。山岸剛さんが継続的に被災地を撮影している写真展のギャラリーツアー、荒蝦夷の土方正志さんによる震災本のトーク、松村豪太さんらの街づくりセッションなどが行われていた。仙台在住の加川広重さんは、水彩による巨大絵画をせんだいメディアテークで発表し、それが神戸へ、来年はフランスに行く予定である。被災地で「これは映画ではない」と思った感覚は、正面以外の全方位に展開する風景だったが、幅16mに及ぶ絵はその雰囲気を思い出させる。今回は原発の絵画を展示し、宮本佳明の原発神社と対峙する。槻橋修さん、宮本さん、リアスアーク美術館の山内泰宏らとともに、シンポジウム「震災に向き合う表現~大地と記憶」に登壇したが、討議では、いまやかさ上げの土木工事によって、被災地では人為的な風景の破壊が進むことが話題になった。


左:山岸剛写真展「Tohoku - Lost, Left, Found」ギャラリートーク 右:槻橋修「失われた街」模型復元プロジェクト



ウェブサイト http://www.kagawaproject.com/

2015/01/11(日)(五十嵐太郎)

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