2019年12月01日号
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artscapeレビュー

パスキン展──生誕130年 エコール・ド・パリの貴公子

2015年02月15日号

会期:2015/01/17~2015/03/29

パナソニック 汐留ミュージアム[東京都]

エコール・ド・パリのなかでもピカソ、シャガール、モディリアーニあたりは美術全集でも個人の巻が立つけれど、キスリング、ドンゲン、パスキンになるとそうはいかない。せいぜい十把ひとからげで「エコール・ド・パリ」の巻に収められるのが関の山だ(もちろんフジタも)。この違いは作品の美術史的評価にもよるだろうし、また生き方の違いにもよるだろう。この展覧会を見ると、パスキンの絵は叙情的で退廃的で、彼が生きた時代には精彩を放っていただろうと想像できるけど、ピカソみたいにモダンアートの最前線を切り開くほどの強度を持っていたとは思えない。その生き方も、各地を転々と旅したり人妻と不倫に陥ったりしたあげく、45歳で自殺してしまうという波瀾に富んだものだったが、ピカソほど女を変えたわけではなく、シャガールのように迫害を受けたわけでもなく、モディリアーニほど短命でもなかった。このハンパ感が美術史上の彼の位置を決定したのかもしれない。

2015/01/16(金)(村田真)

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