artscapeレビュー

国宝 蓮華王院 三十三間堂

2015年02月15日号

[京都府]

向かいの三十三間堂を久しぶりに拝観した。建築史でも重要な作品だが、多くの来場者にとっては室内で千体の千手観音を見るのが主な目的だから、常設のインスタレーションがある一種の美術館のような空間といえるかもしれない。超横長の平面に、ひな壇をつくり、ずらりと千手観音を並べるわけだが、内部では一望できる視点はない。鑑賞者も横に移動しながら、たどっていく空間の体験が興味深い。

2015/01/23(金)(五十嵐太郎)

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