artscapeレビュー
カタログ&ブックス│2015年02月
2015年02月15日号
展覧会カタログ、アートにまつわる近刊書籍をアートスケープ編集部が紹介します。
アゲインスト・リテラシー --グラフィティ文化論 Against Literacy: On Graffiti Culture
美術作家・大山エンリコイサムによる、日本初の本格的なグラフィティ文化論。
4章で構成され、1章ではバンクシー、BNE、ラメルジーほか8人の重要な作家を論じる。2章では、20世紀初頭のニューヨークを舞台にグラフィティ文化の成り立ちを探り、落書きと都市の文化史を綴る。3章は舞台を日本に移し、グラフィティ文化の受容と展開の事例として現代日本を文化論の点から考察し、4章では美術批評の文脈から現代のグラフィティ文化を論じる。
本書は、グラフィティ文化の入門書、批評の書であり、美術家である著者のステートメントでもある。
グラフィティ文化と現代美術の接点から導出される「文脈的なリテラシー(フリード)」「感性的なリテラシー(ソンタグ)」というキーワードを手がかりに、さまざまな文脈やリテラシーによって複雑に編成された現代の文化状況のなかで、硬直する思考に抵抗(against)し、しなやかな感性を発揮するためのガイド。[出版社サイトより]
岡崎京子 戦場のガールズ・ライフ
約400ページ、原画多数掲載。幻の名作「平成枯れすすき」をはじめ、単行本未収録作品8作も収録。一人の少女=マンガ家が見つめたあの時代、その行方。300点以上の原画をはじめ、学生時代のイラストやスケッチ、掲載誌の数々で見る、ついに実現した初の大規模展覧会の公式カタログ。[本書帯より]
TANGE BY TANGE 1949-1959/丹下健三が見た丹下健三
TOTO出版創設25周年記念出版。本書では、丹下健三が、処女作である「広島平和会館原爆記念陳列館」(1952年)を手掛けていた1940年代後半から初期代表作のひとつである「香川県庁舎」(1958年)が完成するまでの10年間(1949~59年)に、丹下自らが撮影した35mmフィルムのコンタクトシートを通して、丹下健三の建築家としての初期像を探ります。[出版社サイトより]
2015/02/03(火)(artscape編集部)