artscapeレビュー
パランプセスト──重ね書きされた記憶/記憶の重ね書き vol.6 西原功織
2015年02月15日号
会期:2015/01/10~2015/02/07
gallery αM[東京都]
壁の片面には趣の異なる抽象の大作が数点、もう片面には縦8段、横16列、計128枚の具象画が並んでいる。具象といっても、描かれているのは自動車、戦闘シーン、食べ物など多様だが、いずれもフラットな描写で、なかにはフレームが描かれているものもあり、写真やネットから拝借したイメージのようだ。これら「具象画」の1点1点にさほど意味(価値)があるとは思えないが、こうして壁にびっしり並べることで向かい合う「抽象画」との差異が曖昧になり、抽象も具象も無意味になってしまう。
2015/01/14(水)(村田真)