artscapeレビュー
挿絵画家 依光隆 展
2015年02月15日号
会期:2015/01/19~2015/01/31
文房堂ギャラリー[東京都]
3年前に亡くなった挿絵画家の回顧展。SF小説、児童文学、科学イラスト、法廷スケッチなど半世紀におよぶ画業を約250点の原画で振り返っている。ライフワークは1971年にスタートしたハヤカワ文庫の「宇宙英雄ローダン」シリーズらしいが、ぼくはそれ以前の児童書の表紙や挿絵でなじんでいたはず。はず、というのは、たとえば『海底2万マイル』とか、はっきり覚えてないけどたしかこんな挿絵だったという漠然とした記憶があるからだ。いわゆる美術史の名画を知るのはそれ以後のことだから、ぼくにとっては小松崎茂と並ぶ初期の絵画体験だった。当時は超絶技巧(そんな言葉なかったが)だと思っていたけど、いま見るとそうでもなかったりして。
2015/01/20(火)(村田真)