artscapeレビュー
大洲大作写真展「光のシークエンス」
2011年01月15日号
会期:2010/12/06~2010/12/18
大阪成蹊大学芸術学部 総合教育研究支援センター ギャラリー〈space B〉[京都府]
横浜市在住で、近年はベルリンで発表している大洲大作の写真展。はじめて作品を目にした。移動する電車の窓に流れていく景色や、穏やかに変化する海辺の光景。一瞬の光を美しい構図でとらえた写真はこれまで他にも見たことがあるが、ただ奇麗にまとまるというだけで終わらず、大洲の視線や感情の推移がともに重なって写り込んでいるように思える。光をとらえようとレンズ一点に集中するのでも、そのような光景の瞬間を待ち構えるでもなく、まるで流星を見たときの喜びのような雲散霧消の余韻が心地よい展覧会であった。
2010/12/06(月)(酒井千穂)